家を決める時、交通の便は非常に重要
中国に留学や仕事で住む場合、当然だが住む家を決める必要がある。家を決める時、交通の便は重要な要素の一つだ。
日本の場合、「駅まで徒歩2分」などと書いてあった場合、だいたいは合っているはずだが、中国では予想以上に時間がかかってしまうことがある。
なぜか?
それは、日本にはない、「小区」という、中国ならではの住居事情が関係しているのだ。
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日本にはない「小区」という住所単位
中国の住宅が日本と大きく違うのは「小区」という単位ごとに分かれ、区切られているという点だ。(※なお、「小区」は公園のように綺麗に整備されている場合「花園(花园)」と呼ばれることもある。)
具体的な住所で言うと、「深圳市 罗湖区 ●●大道 ●●号 A花园 A棟-101」
のようになっていて、この場合だと、「A花园」と言うのが「小区」に当たる。
イメージ的には日本の団地に似ているかもしれない。
「小区」は団地と同じく、エリア内に何棟も建物があるのだ。
「小区」は独立した区域
しかし、「小区」という住所単位は、日本の団地とは大きく異なる。なぜなら、「小区」は塀で囲まれた独立した区域で、出入りが自由にできないのだ。
これは、住宅の安全を守るための措置だ。「小区」への出入りを制限することで泥棒などの侵入を防ごうというのだ。
出入口には保安(日本でいう管理人)が24時間駐在していて、不審者を監視し、非居住者は許可なく入れない。
出入口。自由に出入りできない
友人や配達員などの非住居者が小区内に立ち入る場合は、身分証明書を出し、記録簿に記載が求められるのである。(中国語で“登记”という)
「小区」から出るのに時間がかかってしまう
確かに、住宅をぐるっと塀で囲めば、泥棒被害は減るかもしれない。しかし、実際に生活すると不便が大きいことに気づく。
「小区」によっては出入り口が少なく、外に出るのが結構大変なのである。
例えば以下の「小区」の案内図をを見てほしい。
出入り口は地図上に青〇で示したところしかなく、他はぐるっと塀で囲まれている。なので、奥の方に住んでいる人は、ちょっとした買い物をするにもかなり歩かないといけない。
例えば、案内図の右下位置の家に住んでいる人が、すぐ目の前の店に行く場合でも赤い線で示したようにかなり遠回りしなければいけないのだ。
テレビなどで、海外の金持ちが庭が広すぎて自宅の敷地から出るまで時間がかかる、という話を聞くが、まさにその状態なのである。
家を出るのは毎日のことなので、「小区」が広く、出入り口まで遠いと想像以上に大変である。
防災上「小区」は問題あり
また、「小区」は防災上も問題がある。エリア内は塀で囲まれているため、泥棒や不審者は確かに侵入しにくい。
しかし、それはすなわち、レスキューや救急など、安全を守る人も入りにくいということなのだ。
例えば、火事などの災害が起きた場合、消防車もぐるっと入口まで迂回する必要があり、到着した時にはすでに時遅し、ということになる。
安全を守るための塀が、被害を拡大させてしまうというのは残念なことである。
【まとめ】家を決めるときは「小区」の大きさ、出入り口の箇所を確認しよう
「小区」には(大きさ、セキュリティレベルが)いろいろあるのだが、日本人を含め、外国人の住む「小区」は綺麗に整備された広いものであることが多い。(このような「小区」は「花園」と呼ばれる)車で出る場合も同様で、駐車場から出て、公道に出るまでかなりの距離を進まないといけないところもある。
“「小区」から駅まで徒歩2分”でも、「小区」が広く、家から出入り口まで遠いと、駅まで行くには想像以上に時間がかかってしまうことがあるのはこのためだ。
中国で家を決めるときは、自分の棟から「小区」の外までどれくらいかかるか、把握してから決めることをオススメする。
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