広東省の人は米をよく食べる
今日はお米の話だ。お米は日本人にとってなくてはならない主食だが、中国人にもよく食べられている。
中国は広く、文化には各地で違いがある。
東北地方では蒸しパンや麺など、小麦粉系の主食が主に食べられているそうだが、香港や深センなどの広東省では米が一番多く食べられている。
香港や深センは、日本と同じで、色々な食文化が入ってきており、感覚としては、パンや麺に対する米の消費率は日本とあまり変わらない気がする。
とにかく、広東省人の主食は米と言っていいだろう。
ジャポニカ米とインディカ米
香港や深センで食べられている米には大きく分けて、2種類ある。それは、「ジャポニカ米」と「インディカ米」だ。
ジャポニカ米は日本で食べられているのと同じ品種と言えば分かりやすいと思う。丸みを帯びた形をしていて、もっちりしているのが特徴である。
一方、「インディカ米」は今の日本ではあまり食べられておらず、細く尖った形をしているのが特徴である。
インディカ米?なにそれ?聞いたことないなぁ…と言う人も、「タイ米」と言えば、ピンとくるかもしれない。
そう、もう20年以上前になるが、日本の米騒動の時に騒ぎになって日本に大量に輸入されたタイ米は「インディカ米」なのだ。
「インディカ米」
「ジャポニカ米」
(参考) ちなみに、中国語では、 「ジャポニカ米」=「东北米」 「インディカ米」=「香米」 と言う。 |
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日本人にあまり好まれないインディカ米?
さて、深センや香港では、「ジャポニカ米」も「インディカ米」もどちらもよく食べられているし、どちらもスーパーでよく見かける。しかし、あくまで私の観察だが、日本人には「インディカ米」は好まれていないようである。
1995年(平成5年)米騒動の時にタイ米に対してマイナスイメージを持ったからではないだろうか?
(…っていうか、今の若い人は米騒動自体しらなかったりして…)
【1995年(平成5年)の米騒動】 米騒動を知らない人のために簡単に説明したい。 1995年(平成5年)、全国的な冷夏により米が足りなくなり、大騒動になった。 当時の日本は、今より米の消費率が高く、米なしにはダメという人も多かったので全国的な混乱が起きたのだ。「米が無いと生きていけない!」と言う人もいた。 結果、米の値段は高騰し、10キロで1万円を超えることも珍しくなかった。 本当に多くの人がこの米騒動に踊らされ、それでも米を買う人がいた。個人的には、パンとかパスタとか麺とか、米がないなら他のものを食べればいいのに…と感じたのを思い出す。 で、この国家的な(?)ピンチを受けて政府が打ち出した方策は、米の輸入だ。中国米、タイ米などが日本に大量に入ってきたのだが、そこに問題があった。 今まで日本では米は国内自給率100パーセントだったため、もともと日本人にとって輸入米は馴染みがなかった上、入ってきた外米は粗悪なものが多かったのである。 特にタイ米(インディカ米)のパサパサぶりはひどく、全く美味しくなかった。 そう。あの時多くの日本人に植え付けられたのは、「タイ米=まずい」というイメージだったのだ。 |
「インディカ米」は本当は美味しいのだ!
正直、私もその米騒動から、タイ米(インディカ米)はパサパサして美味しくないと思っていた人のうちの一人である。しかし、それは大きな誤解であることがこちらに来てからわかった。
日本の米だって、古くなった粗悪なものは決して美味しくないだろう。それと同じだ。タイ米も、粗悪なものはマズイに決まっている。
あの米騒動の時混入されたタイ米は、粗悪なものだったのである。
実際、ちゃんとした「インディカ米」は本当に美味しい。中国や香港のレストランで美味しいインディカ米のご飯を出す店もあり、それを食べて、見方が変わった。
決してパサパサしてはおらず、噛み締めると米の甘みと旨味がしっかりとあるのだ。
インディカ米を炊いてみた
「なかなか美味しいお米だよ」と、友人からインディカ米のお米をもらったので早速炊いてみた。米の形が違うのがわかる
普通に炊飯器で炊き上げた。
さて、そのお味は…。
うむ。普通にうまい。決してパサパサなどはしていない。
米の味もしっかりしていて、おかずによく合うご飯だ。
うまい。普通に、うまい。
インディカ米も食べてみてほしい
さて、まとめである。あの米騒動の時に感じたタイ米に対するイメージは忘れてほしい。
うどんとそうめんは違う麺で食感や味は異なるが、どちらもおいしい。
それと同じで、インディカ米もジャポニカ米も美味しいお米なのだ。
深センや香港ではインディカ米は普通に食べられるので、是非食べて見てほしいと思う。
【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます
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