バス、電車、地下鉄のシートが違う
中国本土、香港は日本と様々な違いがある。その違いを観察するとなかなか面白いものである。
今日は、バスや電車、地下鉄のシートの違いについて書きたいと思う。
日本の乗り物は乗り心地が良い
日本にいた時は意識したことがなかったが、今は時々帰国して電車に乗るたびに思う。「日本の乗り物ってなんて乗り心地がいいんだろう。」
日本の空港に降り立ち、バスに乗ると乗り心地が全然違う。
「あぁ、日本だなぁ~!」
と感じる。
それくらい日本のバスは乗りやすい。
その乗り心地の良さの主な要因は、運転手の技術だ。
中国本土(新セン)、香港、日本のバスの運転を比べてみると、
中国本土=めちゃ荒い。 香港=まぁまぁ、時々荒い。 日本=優しぃ・・・・(#^.^#) |
日本のバスは急ブレーキ急加速もなく、本当に乗りやすい。
吊革につかまらなくても大丈夫だと思えるほどだ。
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シートが違う。日本はフカフカ、中国と香港は硬い
運転の技術以外に、日本の乗り物の乗り心地を向上させている要因に「シート」がある。日本のシートは中国、香港と比べるとはるかに座り心地が良い。
具体的にどう違うかというと、日本はフカフカのクッションタイプが普通だが、中国、香港では硬い金属、プラスチックのシートなのである。(一部長距離バスでクッションタイプはあるが)
日本はフカフカのクッションタイプが普通
深センのバスのシートは硬いプラスチック製
深セン地下鉄のシートは硬い金属製
当然、長い時間座っていると、お尻は痛くなる。
そんな環境に慣れている人が、日本のフカフカのシートに座ったら、その心地良さで爆睡してしまいそうである。
(;^^)
なぜ中国、香港はシートが硬いのか?
では、なぜ、中国と香港のシートは硬いのだろうか。それは、「交通機関によるおもてなしの精神」と「客のマナー」が違うからだと思う。
交通機関によるおもてなしの精神
フカフカのートと硬いシートを比べると前者の方がコストは高いと思う。でも、硬いシートだと、客を乗せられないか・・というとそうでもない。硬いシートでも客は座れるし、営業には影響がない。
つまり、バス会社の立場で考えたとき、営業コストを抑え、利益を上げるため、硬いシートを採用するのが当然であると思う。
では、なぜ、コストの高いフカフカのシートを採用するのか?
それはズバリ「おもてなしの精神」によるのではないだろうか。
「多少コストがかさんでも、お客さんに快適に過ごしてほしい。」
そんな思いが、日本の交通機関の責任者にあったのではないだろうか。
客のマナーが悪いとフカフカシートは無理
新しい車両を導入する際、フカフカシートを設置しても、それで終わりではない。その後も定期的なメンテナンスをしなければならない。
当然客が利用すると汚れてくるので、清掃も必要になってくるが、
客のマナーが悪いとその頻度が多くなり、清掃費用がかさむことになってくる。
これが、中国でフカフカシートを採用できない大きな理由だと思う。
例えば新センではこんな様子を時々見かける。
〇子供に靴のままシートの上に立たせ、遊ばせる親。 〇子供がお漏らしをしてしまっても何も拭かずに地下鉄を降りる親。 〇車酔いをして、吐いてしまった後、何も始末をしない人。 〇コーラをこぼしてそのままにする若者。 |
こんな状況でフカフカシートにした場合、シートがあっという間に汚れてしまうだろう。液体や汚れは繊維の中にしみこむため、メンテナンスは難しいからだ。
一方、硬いシートだと汚れるのは表面だけなので、清掃は比較的容易となる。
このようなマナー違反がたくさんある以上、中国では硬いシートしか採用できないのだと思う。
あともう一点、日本の電車の「おもてなし」
あと、日本の電車の素晴らしいと思うこと。それは、シートにヒーターが入っていることだと思う。
シートの下にヒーターが入っている
今は夏で毎日暑いけど、
冬、寒い日に日本の電車に乗った時、お尻からじんわり温められるあのフカフカシートの優しさは忘れられない。
「いやぁ~、日本のシートって、本当にいいもんですね」(水野晴朗風)
(笑)
いや、ほんと、交通機関のシート一つをとっても日本の「おもてなし精神」はすごいと思う。
【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます
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この記事へのコメント
PMZ
一方、(各停ではない)長距離バスは基本的にソフトシートです。その代わり、それなりの運賃です。(沿海側やAAA級の観光地向けのドル箱ルートは新品、農村帰郷向けや出稼ぎ労働者ルートはおさがりのボロソフトシートといったところでしょうか?)距離換算するとハードシートより、はるかに高い料金設定がされていると思います。
日常用途は安さ追求、臨時用途は快適さ追求といった棲み分けがあるようにも見えます。中国の場合、ソフトシートは(合成?)革張りが基本なのはやはり嘔吐対策なのかな。
ペッペケ
コメントありがとうございます!
確かにハートシートの車両はかなり安いですね。
運賃を安くするためにハードシートにしているのかもしれませんね。
PMZ
プラスチックシートが出てきたのは、割れにくい強化(?)プラスチックが製造されるようになってからだったと思います。最初の頃は、「汚いソフトシートより綺麗なプラスチックシートのほうがいいよな」と喜んでいたような気がしますね。
ペッペケさんの記憶ではどんな感じですか?市内だと、中型バスが使われてたのは相当前だったろうと思いますが。
ペッペケ
私の記憶では深センのバスのシートはプラスチックですね。
確かに、昔はもっとマナーが悪かったでしょうから、「汚いソフトシートよりきれいなプラスチックシートがいい」と思われた気持ちわかります。(^^)
ちくわ
私は大阪市営地下鉄を毎日のように利用しているんですが、気になったんですね。
中国語で、硬座と软座がありますね。
漢字そのままで、硬い座席を中国は採用していますね。
で、私は日本のフカフカのシートが少し嫌いかなって思うときがあります。殿部の汗などを吸い込んでしまいますね。衛生面で少し問題ありそうです。
それで、匂いが残存するわけです。特に、夏は電車に乗っただけで、ムワッと臭豆腐のような変な匂いが車両内に立ち込めているのを感じます。
これで、外国人旅行者が悪臭で気持ち悪くならないかな、と心配したりすることもありました。
フカフカのシートだと、お手入れも大変だと思います。
てなわけで、私も中国の硬座は好きです。
台湾でも、硬座だったので、これはいいなと感じたり(笑)。
ところで、中国で硬座がしんどい、という方はクッション(座布団)を携帯していたらいいかもしれないですね。
ペッペケ
コメントありがとうございます!
むわっと臭いがするのは嫌ですね。
たしかに硬座の方が衛生的ですね。