「什么鬼」
今日書きたいのは「什么鬼(shenme gui)」という中国語である。これは若者を中心に使われているインターネットスラング(ネット上の流行語)で、SNS上だけでなく、話し言葉でも使われている。
「什么」は「何」、「鬼」は「おばけ」などの意味があるので、
直訳すると、「何のおばけ」となるのだが、実際は違う意味で使われている。
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「什么鬼」=「なんだそりゃ」
「什么鬼」という言葉が流行ったのは中国で人気の某番組がきっかけだといわれている。元々は「这是什么鬼?」=「なんだそのおばけは?」という言葉だった。
「鬼(おばけ)」という言葉は、実態のないはっきりとしないというイメージがあったため、疑問文の時に「物」を意味する「东西」の同義として使われるようになった。
※参考) 东西=「物」という意味 |
「这是什么东西」(これは何の物ですか=これは何ですか)
という文章の「东西」を、「鬼」に置き換えて、
「这是什么鬼」(これは何のおばけだ=これは何ですか)という風に使うようになったのだ。
そして、そのうち、「这是什么鬼?」が略されて「什么鬼」として使われるのが一般的になったのである。
人気番組発信のこの言葉は、「鬼」という言葉の響きの面白さもあり、一気に流行語として広まったのである。
まとめると、「什么鬼」=「それは何ですか」という意味だが、ニュアンスを加えると「なんだそりゃ?」という意味で使われている。 |
どんなふうに使われているか
上記したように「什么鬼」は「なんだそりゃ?」というような意味で使われている。「バカだねぇ」「もー全く!」というような意味を含むこともあるため、可笑しいような場面、呆れたような場面で使われやすい。または興味を持っていたり、親し気な雰囲気も伝わる。
例えば・・
●学校の友達がふざけて変顔をしてきたとき、「何やってんの?バカだなぁー!」という意味を含めて、「什么鬼(なんだそりゃ?)」と言う。
●いきなり友達が表れて、びっくりしたとき「什么鬼呀!?」と言う。ニュアンスとしては「いきなりどうしたんだよ!」という感じだろうか。
●「你干什么鬼啊?」=「ねぇねぇ何やってんの?」
日本語の「鬼のように・・」に通じるものがある
少し話は脱線するが、日本語の俗語で「鬼のように」という言葉がある。「超」とか「すごい」という意味で、
「鬼のように忙しい(=すごく忙しい)」とか、「鬼うまい(超うまい)」とか、「鬼のように眠る(=すごく眠る=ぐっすり眠る)」
というように使われている。
こんなに可愛くても「鬼のように眠る」!?
「鬼」という言葉のイメージを別の意味で使うという点で、中国語の「什么鬼」に通じるものがある気がする。
こうやって、いろんな言語の俗語を比べてみるとなかなか面白いと思う。
言葉は変化していき、流行語も変わる
どんな言語もそうだが、言葉は変化していき、流行語も変わる。「什么鬼」は、中国の若者を中心に今なおよく使われている俗語だが、
そのうち、「什么鬼」も時代遅れのダサい言葉と言われるようになるかもしれないなぁ。
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