深センでマナーが向上してきている?
深センの道路を自転車で走っていた時の話である。深センの自転車用道路
いきなり子供が飛び出してきたため、避けながら急ブレーキをかけて停車するということがあった。
それほどスピードは出していなかったのでこと無きを得たが、危ないところだった。
しかし、驚いたのはその後である。
そばにいた若い父親が駆け寄り、すぐに「気をつけなさい!」と子供を叱りつけ、さらに、私の顔を見て「すみません、大丈夫でしたか?」と気遣いの言葉をかけてきた。
私が「大丈夫ですよ」と返すと、その父親はさらに子供に「ちゃんと“ごめんなさい”しなさい!」と私に謝らせたのだ。
これにはほんとうに驚いた。
以前は放任主義の人が多く、子供が悪さをしても親が注意をする様子はあまり見られなかったのだ。
しかし、このお父さんはちゃんと子供をしつけている。毅然とした態度からは、子供に対する愛や優しさも感じられ、なんかほっこりした気分になった。
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日本人のマナーが低下してきている?
一方、日本人の、特に若い世代のマナーが悪くなっているような気がする。これも最近だが、こんなことがあった。
深センのショッピングモールで、日本人の若い母親二人がショッピングしているのを見かけた。聞こえてきた話の様子から二人とも駐在妻のようである。そして、おそらくママ友なのだろう。3-4歳の子供を連れていた。
問題が起きたのはその後だ。
突然、ガシャ!っと言う音が聞こえてきたので、音が聞こえた方を見ると、さっきの親子だった。
なんと、子供がお店の商品にいたずらしていた。店の商品が壊れるような勢いで、商品を地面に落としたりしていていたのである。
「おいおい、親は何やってるの?これじゃ壊れちゃうぞ…」
そう思っていると、気づいた店員が焦って駆け寄り、子供を制止し、「ダメ!」と言ったのだ。
でもその子供は一切ひるまなかった。店員をバシバシと叩き、商品を奪い取ろうとしたのだ。強く怒ってもやめない子供に店員も困った様子であった。
な…なんなんだ、このギャングのような子供は…。
しかし、もっと驚いたのはこの後だ。
若い日本人の母親はその様子を見ていたのに、一切止めようとしていなかったのだ。それどころか、ヘラヘラしながらもう一人のママ友にこう言っていた。
「もーホント、〇〇ちゃん(自分の子供の名前だと思われる)ってすごい!相手が誰でも負けないんだから!」
…その言葉を聞いて、呆れ返った。
自分の子供をしつけるどころか、その様子を楽しんで傍観するとは…。
店の物を壊す事が悪いことだと教えてもらえない、その子の将来が心配だ。
日本の年配者「最近の若者は…」
当たり前だが、上記したのは一例だ。中国にも日本にも色んな人がいる。しかし、平均的に言って、最近は、日本のマナーが低下して、中国のマナーが向上しているような気がする。
日本で、年配の人が若者の行動を見てよく「最近の若者は…」と言う。年配の方にとって、若者の軽率な行動は愚かに映るのだろう。最近は特にゆとり教育のため、当たり前と思えるようなマナーも守れない若者が多くなっているようだ。
「最近の若者は…」と言うフレーズは、若い世代ほどマナーレベルが低下していることを示しているのかもしれない。
しかし…これはどの国でも当たり前でしょ?…と思うかも知れない。
いや、中国ではそうではないのだ。
中国の若者「老人は…」
最近の中国では多くの人が、若者がマナーを守り、老人は守らないと言う。日本とは逆で、若者が老人のマナー違反を見て、「老人は…マナーを守れない、愚かだ」と言うのだ。
「老人のマナーは本当に悪い、泥棒をするのは老人だけだ。」と言う中国人の若者もいる。
確かに、最近深センの若者はマナーを守る人が多くなっている。一方、ゴミを散らかしたり、バスの中で唾を吐いたりとマナー違反をする老人の姿はまだ結構見かける。
中国では、若い世代ほどマナーを守れる人が多いと言える。
しかし何故、経験を積んでいるはずの老人のマナーが若者より悪いのだろうか。
深センの多くの若者は「教育が原因だ。昔の中国ではマナーに対する教育がされてこなかったので、老人にはそもそもマナーを守る考えがないのだ」と言う。
うーむ。確かにそれは一理あるかもしれないなぁ。
中国では、“今の老人”がちゃんとマナー教育を受けてこなかった“ゆとり世代”と言うことなのだ。
マナーを守れる人間に…
さて、あくまで客観的な意見だが、確かに中国で、マナーを守れる人が、特に若者の世代で増えているように感じる。一方、日本人の若者の恥ずかしい行動を見聞きすることが多くなっている。
いろいろな意見を総合して考えると、興味深いことに、日本でも中国でも“ゆとり教育”世代のマナーレベルが下がっているようだ。
もちろん、自分がどう思おうが他の人の行動を変えることはできない。ただ、マナー違反をして他人に迷惑をかけ、後ろ指をさされないように気をつけようと思わされた今日この頃である。
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