中国生活でちょっと気になった中国語をシリーズ記事で書いていきます。過去の記事についてはこちらからどうぞ |
「拉面」
今日は「拉面」という中国語について書きたい。「拉面」は簡体字表記であり、繁体字表記に直すと「拉麺」となる。
そう、「拉面」は「ラーメン」のことなのである。
日本語の「拉麺」と中国語の「拉麺」は違う
ラーメン?なぜラーメンが“気になる中国語?”と思われるかもしれないが、
日本の「拉麺」は、中国語で言う「拉麺」ではないからだ。日本人にも馴染みのあるこの単語だが、日本と中国では指すものが違う。
中国から日本に入ってきてから意味が変化した外来語なのである。
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形状にかかわらず「麺」は小麦粉で作られたもの
まず、「麺」という言葉が日本と中国では意味が違うということについて説明したい。日本では「麺」と言うと、細い“形状”の食べ物を指し、そばや米粉で作られたビーフンなども「麺」と呼ぶ。(米粉の麺などと呼ぶ)。つまり、日本語では細い「形状」であれば「麺」だ。
一方、中国語の「麺」は形状にかかわらず「小麦粉」で作られたものを「麺」と呼ぶのだ。「すいとん」のような丸いの形であっても、小麦粉で作られたものは中国語では「麺」なのである。一方、米粉、じゃがいもデンプンで作られたようなビーフン、マロニーみたいなものは中国語では「麺」とは呼ばないのである。(これらは「粉」と呼ばれる)
●日本語で「麺」は「細長い形状」をの物を指す。 ●中国語で「麺」は「小麦粉が材料」の物を指す。 なので、 ベトナムのフォー(米粉の麺) →日本語では「麺」である(細長いから) →中国語では「麺」ではない(小麦粉が材料ではないから) 猫耳麺(小麦粉をまるくしたすいとんに似た形の物) →日本語では「麺」ではない(細長くないから) →中国語では「麺」である(小麦粉でできているから) |
日本人が知らない「麺」
つまり、中国語では、「小麦粉で作られた」ものが「麺」なのだ。は日本人が想像するような細長い形のイメージは「麺」という言葉には含まれていないということをご理解いただけただろうか。以下は中国の「麺」である。すべて小麦粉が材料だ。日本語でイメージするような、細長い形状であるとは限らない。
「刀削麺」=刀で削るようにして作った「麺(小麦粉が材料)」 「猫耳麺」=猫の耳の形に似た形状の「麺(小麦粉が材料)」 「手工麺」=手作りの「麺(小麦粉が材料)」※形状はいろいろ |
これも「麺」
「拉」された「麺」が「拉麺」
では、中国語の「麺」の意味を踏まえた上で、「拉麺」という単語を考えてみよう。「拉」は「伸ばす」という意味がある。
つまり「拉麺」は“伸ばして作った“麺(小麦粉が材料)なのである。
たくさん種類がある「麺」の1種類に過ぎないのだ。
「刀削麺」=刀で削るようにして作った「麺(小麦粉が材料)」 「猫耳麺」=猫の耳の形に似た形状の「麺(小麦粉が材料)」 「手工麺」=手作りの「麺(小麦粉が材料)」※形状はいろいろ 「拉麺」=伸ばして作った「麺(小麦粉が材料)」 |
このように伸ばして作ったのが「拉麺」
日本のラーメンは中国語では 「拉麺」ではない
では、日本のラーメンの麺について考えてみよう。日本のラーメンに使用されている麺は、ほとんどが工場で生産されており、機械で生地を麺状に”切断”して作られていて、”伸ばして”作られた麺ではない。
そう、日本のラーメンは中国語で言う「“拉”麺」ではないのだ。
ラーメン(拉麺)は中国から日本に入り、日本で独自の発展を遂げたグルメなのだ。
元々は生地を伸ばして麺を作っていたため、最初はたしかに「拉麺」だったのだが、その後大量生産しやすい機械生産の麺に切り替わった。
しかし、“拉”されなくなってからも(伸ばして作られなくなってからも)、「ラーメン」という言葉はそのまま残ったのだ。
中国語では「“拉”麺」とは言えない
ちなみに、決して日本のラーメンが偽物と言っているわけではなく、あくまで言葉の意味が違うという意味だ。
私は日本の“ラーメン”が大好きで、帰国のたびに毎日のように食べている。
本物の「拉麺」を食べたかったら中国に行こう
もちろん、日本でも伸ばして作った「拉麺」を提供するレストランはあるかもしれないが、なかなかお目にかかれないと思う。中国では普通に見かけることができる。
例えば→目の前で作る本物ラーメン蘭州拉麺の食レポ
そして、1杯200円以下の安さで食べられる。(少し前まで100円もしなかったんだけどな…物価の上がりがすごい)
中国旅行に来たら、伸ばして作った本物の「拉麺」を食べてみよう!
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【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます
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