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中国の戸籍制度は日本と違う
今日は中国の戸籍制度ついて少し書きたいと思う。日本の戸籍は基本的に一種類だ。
基本的と書いたのは、皇族は戸籍がない等、例外があるためだが、特殊な例を除き日本人であればどこで生まれても「日本人」だ。戸籍や立場に差はなく、生まれた場所で、その後の戸籍に制限がかせられることもない。
例えば、沖縄で生まれた人が本籍地を東京に移したければ役所で簡単にできるし、大阪に移すことも自由だ。
日本人であれば同じパスポートを持つことができ、日本のどこで生まれようが、戸籍ということに関しては同条件なのだ。
中国は戸籍が異なる
一方、中国では基本的に生まれた場所がその人の戸籍となる。例えば北京の戸籍、深センの戸籍…などである。
さらに戸籍は簡単には動かすことができない。
高額なお金を払ったり、何年以上その場所で働いたり…という幾つもの条件がある。
なので、まるで別の国籍のようである。
また、戸籍は民族でも細分化されている。
中国のほとんどは漢民族だが、他にも多数の少数民族の人がいる。
身分証明書にはどこの民族かが書かれていて、民族が違うとこれもその人の身分に関わるのだ。
戸籍が違うと身分が違う
中国では戸籍・民族が違うと身分が違う。国籍の違うアメリカ人とフランス人が、タイ人とベトナム人が違うのと同じように身分が違うのだ。
"身分"と書くと勘違いするかもしれないが、どの戸籍・民族の立場が高いというわけでない。それぞれの戸籍で受けられる国の複利構成、サービスが違うということなのだ。
どのように違う?
では、戸籍によって具体的にどのように違うのだろうか。例えば、深センの戸籍を持っている人は、香港に行くための通行証の取得が容易で、何度でも行くことができる。一方、地方の戸籍の人だと、香港には行きにくい。広東省の地方都市の戸籍の人に聞いたが、通行証は2回香港に行ったら失効し、再びお金を払って申請しなければならないそうだ。
また、深センのような大都市の戸籍の人は、田舎の戸籍の人より年金(中国では养老金という)の額が多く、田舎の戸籍の人より優遇されている。
さらに、別の地域の戸籍の子供は公立の小中学校に入るにも制限がある。
じゃあ、大都市の戸籍の方がいいのでは?と思うが、絶対にそういうわけでもない。
例えば、中国では子供を3人以上持つと罰金が科せられるが、
※去年、一人っ子政策が改正されるまでは2人目から罰金が科せられた。 参考記事…■中国で一人っ子政策が終了。でも3人目の赤ちゃんには罰金500万円!? |
先日、中国人友人に子供が生まれたが、地方の戸籍のため、罰金額は8万元(140万円)元で済んだが、
(日本だと子供が生まれると国からお金がもらえるので、考えられないことだが)
もし深センの戸籍だったら、罰金額は30万元(約500万円)元になっていたと言う。
ということで、大都市の戸籍の人ならではの苦労もある。
大都市の戸籍が絶対良いというわけではないようだ。
同様に、漢民族の戸籍より少数民族の戸籍が良いというわけでもなく、良い面も悪い面もあるらしい。
同じ国なのに、色々な身分の人がいる
日本は「日本人」という一つの身分しかないので考えたこともないかもしれないが、中国ではこのような身分制度になっている。まるで、一つの国の中に異なる国籍の人たちがいるようなものである。
中国の広さが感じられるのではないだろうか。
【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます
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この記事へのコメント
WL
私が中国在住の時は都市に住んでいたし、マンションも持っていたので都市戸籍を取得しようと思えばできたのですが、敢えて農村戸籍です。
書いている通り年金であったり、その他農地の分配金だったり、農村医療保険など別の意味での待遇の良さがあるからです。
だから都市戸籍の人のごく一部は農村戸籍を...と考えますが、農村戸籍→都市戸籍への移行はできても、当然逆はできません。
でも、これが本当にいい選択かどうかは怪しいし、そもそも今日本住みだし...と微妙ではありますがね。
ペッペケ
コメントありがとうございます!
実際の声をいただけるととても参考になります!