香港の銀行口座開設、維持も難しくなっている
香港の銀行口座の最近の実情を聞いてきたので、書いておきたい。2018年の現在、香港の銀行口座は、正当な理由がなければ、開設はおろか、維持していくのも難しくなっているとのことである。
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香港非居住者の開設は非常に難しい
香港の口座開設についてこちらのカテゴリに詳しく書いた。こちらをみていただけるとわかるが、以前は書類さえそろえば開設が可能だった。しかし、最近は香港非居住者の開設が非常に難しくなっているとのことである。
これは、マネーロンダリング、脱税などの犯罪を防ぐためだ。
今は開設の目的が明確で、しっかり説明できないと(つまり、悪用しないことを証明できないと)開設は不可能になっている。
香港居住者、駐在員などであれば、銀行を開設する理由があるため、認められることが多いが、非居住者が香港に口座を開設しようとする場合、不正の可能性が強く疑われるということなのだ。
銀行担当者が、「この人は絶対に不正利用はしない、ちゃんとした明確な開設目的がある」と確信できない限り、開設は不可能になっている。
法人の口座開設は個人口座よりはるかにに難しい
また、法人の銀国口座開設はさらに難しいらしい。香港は税金がかなり安い。それで、節税のため、一時期香港に会社を作るのがブームになり、営業実態のないペーパーカンパニーが非常に多くなった。
そして、不正に香港で利益を落とす人も少なからずいたそうである。
このような会社を排除するため、法人の口座開設は非常に難しくなっているとのことだ。個人口座と同様に、不正に口座を使わないことを説明できなければほぼ不可能とのことだ。
凍結されずとも、海外機能が停止し、香港でしか使えなくなっている人は多いらしい
口座が完全に凍結される前に、まず海外機能が止められるということはよく起きている。特に厳しくなってきているのは、国際的なお金の動きなので、よくわからない非居住者の口座は、まず、海外での出金ができなくなり、悪用を防ごうということなのだ。
この場合、銀行担当者に書類を提出し、海外使用の目的をちゃんと説明することができないと、香港でしか利用できなくなる。
香港に行けばお金の引き出しは可能だが、海外で使えなくなってしまったら、非居住者としては口座を持っていても意味がないことになる。
さらに、そのまま放置すると、完全に凍結し、手続きをしないと香港での引き出しも不可能になってしまうのだ。
香港を含め、海外で銀行口座を開設する場合は注意が必要
このような状況は、香港だけに限ったことではない。中国国内、その他の国でも銀行口座の開設、維持が難しくなってきているとのことだ。
2017年1月1日から、共通報告基準(CRS(Common Reporting Standard))が開始されてから、海外銀行口座を利用した不正を防ぐための取り決めが世界中で広がっているのである。
今後、海外で銀行口座を所有し、維持していくために「明確な口座使用の使用目的があり」、それを、「客観的な資料を提出して説明する」ことが必要不可欠になっていくだろう。
最近は、口座開設後に電話がかかってきて、口頭で本人確認、口座の使用目的の説明を求められることもあるため、言語力も重要となっている。
言葉が通じないため、まじめに海外の口座資金を運用している人でも、香港HSBCの口座が凍結してしまったという人もすでに出始めている。
香港を含め、海外で口座を開設する場合は、口座凍結などのリスクがあることを必ず理解しておこう。
【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます
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この記事へのコメント
ポンタ
中国は通貨の海外流出を防ぐためならすぐに規制を作りますから、香港も例外ではないでしょうね。
管理人
コメントありがとうございます。
そうですね。今後ますます規制が厳しくなるようですね。