中国生活でちょっと気になった中国語をシリーズ記事で書いていきます。過去の記事についてはこちらからどうぞ |
スポンサーリンク
「二郎腿」=「足を組む」
今日書きたい気になる中国語は「二郎腿」(er lang tui/アーラントゥイ)という言葉である。「腿」は「足」という意味だ。
二郎(じろう)の足(あし)・・?
日本語は、このような意味に取れてしまうので、
日本人にとってはなかなか想像がつかないこの言葉の意味だが、
「足を組む」という意味なのである。
なぜ「二郎」の「足」が「足を組む」?
「二郎腿」は中国人なら誰もが普通に使う中国語だ。「“二郎腿”は、足の血行に良くないよ。」などと言われる。
しかし、語源が気になるところである。
なぜ「二郎」の「足」が「足を組む」という意味なのだろうか。
中国人の友人に聞いたり、中国のネットの書き込みを調べたが、なかなかこれというのが出てこない。
普通に使う中国語なのだが、語源を知っている人はあまりいないのだ。
語源についての見解はいろいろあって、
「二郎は行儀が悪い人でよく足を組んでいた。だから“二郎腿”という」という意見、
「足を組んだ時、下の脚が一郎、上が二郎。だから“二郎腿″」という人もいた。
しかし、以下の由来が一番それっぽい。
「四川省の物語で、二郎の神という人がいた。その人の像が作られたのだが、その像の形が足を組んでいるものだったのである。その像から足を組んでいる姿のことを「二郎の神の足の形を同じ」→「二郎腿」となった。
しかし、いずれにしても、私が調べた限りでは語源はあくまで噂の域を超えない。
日本語より使いやすい「二郎腿」
さて、語源については、なんだかんだ言って、はっきりした答えが出なかったのだが、(すみません(;^^))
とにかく、「二郎腿」は普通に使う中国語だ。
そして、言葉自体に注目すると、日本語より使いやすいと思う。
どういうことか?と言うと、
日本語は
この格好を一言で表すことができないのだ。
この写真を見せて、「これは何?」という質問に対して、答えるとしたら、「足を組んでいる状態」「脚を重ねて組んだ姿勢」というような、“文章”になってしまう。(「足組み」という名詞化はできるが…)
そう、「足を組む」というのは一つの単語ではなく、あくまで「足」を「組む」という文章で、「足を組む」という意味の単語は存在しないのだ。
一方、中国語は「二郎腿」という単語(名詞)だ。一言で済むのである。
言語によって表現できるものが違う
このように、言語によって、同じことを言おうとしても表現方法が異なることがある。上記のように、中国語だと簡潔に表現できることもあったり、
逆に、日本語では適切に形容できることが中国語ではできなかったりということもある。
例えば、擬態表現は日本語独特で、中国語にはない。
「“しっとり”“ふわふわ”のスポンジケーキ」
と聞くと、日本人はその言葉に含まれるニュアンスをを感じ取れるが、
中国語では、
「水分が多く、柔らかいスポンジケーキ」
としか表現できない。
しっとり、ふわふわに含まれているニュアンスは中国語では表現できないのだ。
こう考えると言語って、奥が深いと思う。
【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます
スポンサーリンク
この記事へのコメント