ちょっと気になる中国語「丁克」

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「丁克(ding ke)」という中国語

今日は「丁克(ding ke)」という中国語について書きたい。

これは新しい言葉で、古い辞書には載っていない言葉である。

意味は、「共働きで子供のいない夫婦」だ。

「うちは”丁克“だから、自由なんだ。今度の休暇は夫婦で旅行に行くよ」

みたいな感じで、特に若い人たちの日常会話で使われている。

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「丁克」の語源は?

しかし、なぜ「丁克」が「共働きで子供のいない夫婦」という意味になるのだろうか。

漢字を見てもそんな意味は無い…。

と思うが、それは当たり前。

英語が語源で、その発音に漢字を当てた言葉なのである。

元になった英語は”Double Income No Kids”だ。

直訳すると、「2つの収入(共働き)、子供はいない」で、つまり「共働きで子供のいない夫婦」と言う意味となる。

で、この英単語の頭文字D,I,N,Kを中国語に当て、ding ke=「丁克」という言葉になったのである。


「丁克」という言葉が生まれたのはなぜか?

しかし、なぜ「共働きで子供のいない夫婦」という言葉を表す言葉が生まれたのだろうか。

それには、「結婚したら子供は絶対に産むべきだ」という中国の一般的な考え方が関係しているのである。

日本では、生涯独身で過ごしたり、結婚してもあえて子供をもうけず、夫婦二人で生きていくなど、色々なスタイルの人生を送る人がいる。そして、どの生き方を選ぶかは人それぞれ、という考え方が一般的だと思う。

しかし、中国では異なる。特に現在40代、50代以上の人のほとんどは、「人は必ず結婚し、そして必ず子供を生むべきだ」と言う考えを持っている。もし結婚できなかったり、結婚しても子供ができなかったら、「その人の人生は失敗」とさえ言う人もいる。

なぜそのような考え方をする人が多いのだろうか。

色々な文化や伝統も関係していると思うが、一つの大きな理由は「子供が老後の保証」だから、である。

社会保証制度がしっかりしていない時代に育った人にとって、老後の唯一の生きるための収入源は、自分の子供なのである。子供がいなければ老後の収入は全く無くなり、生きていけないということなのだ。

それで、「結婚できない、子供がいない」→「お先真っ暗」→「生きるためには絶対に子供が必要、じゃないとダメ」という考え方が定着したのである。



近年うまれた「丁克」という言葉

しかし、近年になって、人々の生活スタイルが変わってきた。

年金制度などの社会保証制度も発達してきているし、将来子供に頼らずとも十分生きられる資産を有している人も多くなってきた。

それで、中国人の中にも結婚しても子供を持たず、二人でやりたい仕事をし、夫婦で人生を楽しもうと考える人が増えてきているのだ。

そんな新しい人生スタイルを、横文字から取った言葉「丁克」で表すようになったのである。


【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます


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この記事へのコメント

  • PMZ

    日本でも、一応ありますね。「ディンクス」という言葉は。30年近く前、日本で働いていたとき協力会社の女性の方が、自分は「ディンクスです」と言って説明してくれました。他では聞いたことがないから、もう死語なのかな。今ではたくさんいるでしょうしね。
    2018年04月18日 20:13
  • 管理人

    PMZさん
    コメントありがとうございます。
    日本でもあったのですか。私は聞いたことがありませんでした。
    この言葉がはやり始めたころ、夫婦は子供がいるのが当たり前という考えから変わってきたのでしょうか。言葉は時代を写しているようでなかなか面白いですね。
    2018年04月18日 23:28
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