席を譲る中国人と譲らない日本人。分析して思う2つの理由

席を譲る中国人と譲らない日本人。分析して思う2つの理由
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友人と話していて意見が一致した

友人と話していて、あることで意見が一致した。

それは、

「中国って、横入りを平気でする人が多いのに、老人や子供に席をよく譲るよね」

ということだ。

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確かにそうなのだ。

お年寄りがバスに乗って来たら、ほぼ間違いなく側にいる誰かがさっと席を譲る。

子供乗って来ても同じである。しかも、それほど小さくない元気が有り余っているであろう小学生の子にも、みんな快く譲るのだ。

譲らない場合は、運転手や切符売りの車掌が、

「お年寄りが乗って来たので誰か譲ってくださいー!」

と声をかける。

中国には、横入りや並ばない人が多いのに、なぜかみんな席は快く譲るのだ。

以前、友人のご両親(65才くらい・日本人)を連れて1日深セン案内したことがある。そして希望に応えてバス、地下鉄に乗って移動したのだが、乗った全ての路線で席を譲られ、ずっと座って移動することができた。

ご両親は「日本ではこんなことはないね」とおっしゃっていた。

中国のバスの中には

「尊老爱幼是中华名族的传统美德,请为有需要的人乘客让座!」
(老人を尊び、子供に愛を示すことは中国民族の伝統的な美徳です。必要な人に席を譲ってください!)

と書いてある。

確かにそれは中国の地でしっかり実践されている。これはすごいと思う。

深セン地下鉄の優先席
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日本ではなかなかない

友人と、さらに意見が一致したのが、

「日本の人たちはちゃんと並ぶけど、席は譲らないね。」

ということだ。

うーむ、確かに。

日本で横入りする人はまずいない。優先席もみんなしっかり守って、空いていても座らない。

しかし、席に座っていて、お年寄りが乗って来たからと言って、席を譲る人も少ないのではないだろうか。

もちろんゼロではないが、中国とくらべるとはるかに少ない。

どうしてなのだろうか。

日本と中国の文化の違いから考えてみた。

日本人、中国人にも色々な方がいる、以下に書いている「中国人」「日本人」という表現は、もちろん全員ではなく、あくまで平均的にこうなんじゃないかなぁ・・・という私の意見なので、ご理解の上、お読みいただきたい。



1:色々考える日本人、行き当たりばったりの中国人

日本人は考えすぎた結果、席を譲らないことが多いのではないかと思う。

日本には物事を計画して色々考える人が多い。一方、中国人はあまり考えず、行き当たりばったりでパッと行動したりする。

この違いが「席を譲る、譲らない」に影響しているのではないだろうか。

中国人は席を譲る時に、おそらく、特に何も考えない。

「あ、おじいちゃんが乗って来た。譲ろう。」

これだけである。



日本人は席を譲ろうとするとき、色々考えるのではないだろうか。

「あ、おじいちゃんが乗って来た。譲ろうかな…。ん?いやでも待てよ。見た目は結構ご高齢だけど、実年齢はそこまで言ってないのかも…。もし譲りますって言ったら、「俺は年寄りじゃない!」って怒るかなぁ。…そしたら周りの人の注目を浴びるかもしれないしなぁ…、それに、譲ろうとしたら「あなたは高齢です」って言っているようで、逆に失礼かなぁ…うーん…やめた。他に誰か譲るでしょ」

もちろん、ここまで考える人はなかなかいないかも知れないが…(笑)

日本では、色々考えた結果、敢えて譲らない人も多いのではないだろうか。



2:プライバシーを大事にする日本人、すぐに友達になれる中国人

日本人はプライバシーを大事にするゆえ、知らない人に話しかけることが苦手なのではないだろうか。

私の観察では人と人の距離感が日本と中国では異なる。

日本人はプライバシーを重視するが、中国人はあまり気にしない人が多い。

中国では人通りの多い道の前で家のドアを開け放しにして家族団欒していたりする。人が見ていても気にしない。

バスで隣に座ったにいちゃんにいきなり話しかけられて世間話をすることになり、

「最近は忙しいくせに給料が上がらない。大変だよ。ところで君の仕事は何?給料はいくら?」

などと聞かれたり、

「え?君、日本人なの?微信(中国のLINE)交換しようよ」

と言われる事もある。

さらに、バスの中ででかい声で電話したり、大音量で音を出しながらスマホで映画を見ている人もいる。人目を気にする日本人は絶対にしないことだ。

このように、中国では人と人の距離感が日本よりずっと近い。そして人目をあまり気にしない。知らない人とプライバシーに関わることを雑談したりすることも普通である。

だから、「この席どうぞ」と声をかけることに抵抗を感じる人はまずいないだろう。


一方、日本人はプライバシーを重視する。理由もなく知らない人と話すことはまずない。そして、他の人に迷惑になるかどうか考える。注目を浴びるのは苦手な人も多いだろう。

この慎ましい国民性が、自分から敢えて、声を出して席を譲ることのハードルを高くしてしまっているのではないだろうか。



席を譲るべきか?

さて、結論である。

バスや地下鉄で席を譲るべきだろうか?

私の意見だが、もし自分に体力があり、他に必要としている人がいたら譲ってあげるべきだと思う。

しかし、関係する状況は考えるべきだ。

例えば、自分が疲れているなら譲る必要はない。なぜなら自分が席を必要としているからだ。

また、譲ることで逆に失礼になることもある。特に日本ではこれは考えないといけないと思う。

中国でよく見るが、子供に席を譲っても、子供は躾がなっておらず、そして元気いっぱいなので座らずに走り回ったりすることもあるため、ある程度大きい子には譲らないことにしている。

席を譲ることについて色々と考えてしまった今日この頃である…。

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この記事へのコメント

  • 安東 博逸

    席を譲る中国人としない日本人の記事を興味深く読ませていただきました!大変わかりやすくて、勉強になりました。
    ちなみに私も度々中国に行きますが、まさしく重点は国民性ですね!
    ちなみによく地下鉄やバスに掲げてるスローガンは「尊老爱幼是中华民族的传统美德」中国民族ではなく中華民族です。
    ありがとうございました。
    2020年06月07日 11:52
  • 管理人

    安東 博逸さん
    コメントありがとうございます!またご指摘もありがとうございます。見直したら確かにそう書いてました。汗
    修正しました。
    どうもありがとうございます!
    2020年06月27日 12:11
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