広東語は世界で母語話者がかなり多い中国語の方言
広東語(粤語とも呼ばれる)は、中国語の方言である。広東語は中国語の方言だが、標準語とは発音、文法、単語もかなり異なっていて、標準語を話す北京の人たちはほとんど理解できない。
中国の標準語は北京語から作られた「普通語」と呼ばれる言葉であり、日本で学ぶ中国語はこの「普通語」である。
※普通語は、日本で言うと、東京で話されていた言葉を標準語とするように、国によって定められ「国語」となったみたいなものである。 【日本】 東京弁→国語(国が定めた共通語) 【中国】 北京語→普通語(国が定めた共通語) |
日本と同じように、中国も標準語(普通語)以外にたくさんの方言があり、そのうちの一つが広東語というわけだ。
しかし、この広東語の勢力はかなり強い。
広東省の広州で産まれた方言と言われているが、移民によって広東語を母語とする人が世界各国に広がり、香港、マカオ、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、欧米、オセアニアの中華系社会でも主要な言語となっているのである。
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よく聞く噂「広東語が中国語の普通語(国語)に制定されるかもしれなかった」
深センも広東省なので、もともとは広東語地区なのだが、人口の90パーセント以上は他の地域から移民で入って来た人で広東語は通じないため、街で話される言葉は標準語(普通語)である。この深センにおいて、少数派の広東語を話す地元の人たちの間で信じられている噂がある。
それが、「広東語が中国語の普通語(国語)に制定されるかもしれなかった」というものだ。
どう言うことか?
噂の内容は以下の通りである。あくまで噂なのでお間違えのないように。
噂の内容
1949年の中華人民共和国建国の際、国の共通語となる普通語を定める必要が生じた。 国内の主要な言語である北京語、広東語、四川語、上海語などが挙げられ、全国投票によってどれを普通語にするかを決めることになった。 投票の結果、北京語が1位となり、北京語=普通語に決まったのだが、北京語と2位の広東語はわずか1票差だったのである。 もしこの1票が何かの加減で違っていたら、今、広東語が普通語として全国で話されていたのだ! これは、噂というよりは周知の事実として広東人の間では語り注がれている。 広東語を母語とする人たちはこう言う。 「1票違えば、広東語が中国語の普通語(国語)に制定されるかもしれなかった。そうなれば良かったのに…。広東語は中国ではとても重要な言語なのだ。」 |
本当なのか?
この噂、事実なのかどうか調べてみた。結論から言えば、広東語が母語の人たちが流した噂に過ぎないというのが有力だ。
"有力"と書いたのは、色々説が飛び交っており、それらを証明する資料が残っていないので、本当のところは誰にもわからないからだ。
ただ、ほぼ間違いなく、この噂はやはり噂に過ぎないだろう。
当時の情勢を考えると、国の共通語を投票で決めるということはしなかっただろうし、国の中枢の北京で話されている言葉をそのまま共通語にする、というのが普通の流れだと思う。
そして、広東語以外にも、同じような噂がある。
ネットで調べると、四川省にも同じような噂があり、「四川語が1票差で中国語の普通語(国語)に制定されるかもしれなかった」と書いてあった。
この手の噂は、自分の地域の方言を愛する人たちが流したものであり、それが人から人へ伝えられ、いつしか事実として信じられるようになった、というのが最も信憑性のある説明だと思う。
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この記事へのコメント
PMZ
ペッペケ
ですねー。広東語だったらかなりハードルが上がります。
香港人に友達いますが、広東語はまだ全然だめです。