中国語にもたくさんの方言がある
中国本土で話されているのは、普通語と呼ばれる中国語の標準語で、北京で話されていた言葉が元になっている。日本では、東京地区で話されていた言葉が日本語の標準語として使われているのと同じだ。
しかし、日本にも数多くの方言があるのと同じように、中国にもたくさんの方言が存在する。
むしろ、中国ははるかに大きい国土を持ち、数多くの民族が住んでいるので、方言の数は日本の比ではなく、全く別の言語と思えるような方言も少なくない。
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出身地によって標準語(普通語)に影響がでる
標準語(普通語)は国内どこでも通じる共通語なのだが、出身地によってなまりや表現に影響がでる。もちろん通じる標準語(普通語)なのだが、その違いで結構出身地がわかるのである。
日本で言うと、語尾に
「〜だべ」とつければ東北の人、「〜やねん」とつければ関西の人とわかるのと同じである。
(※あくまで例なので、東北や関西でそんなこと言わない人もいるという突っ込みは勘弁してね^^;)
また、関西と関東ではイントネーションが違う。
中国語でも同じことが生じるのだ。みんな普通語を話していても結構違い出るので、どこの出身か、なまりで推測することができる。
最初はわからなくても、中国で生活して何年か経ってくるとどこの出身の人かだんだんわかってくるようになる。
深センには各地から来た人たちがいるので、買い物をしたついでに店主と雑談をして、「おっちゃん、〇〇の出身でしょ?」などと出身地当てをするのも面白い。
外国語なまりも当然ある
中国国内でもそれだけのなまりがあるのだから、当然、外国語のなまりはもっとはっきりしているし、ある国の人しか使わないような表現や誤用もある。そのうちいくつかを紹介したいと思う。
「我见面他」と言ったら韓国人
「私は彼に会う」の正しい中国語は、「我跟他见面」だ。
なので、「我见面他」は誤用である。
しかし、韓国の方はなぜかよくこの文法を間違え、「我见面他」と言う。
仕事で中国語が上手な韓国の方に時々会うのだが、結構な確率で「我见面他」という文法の間違いを聞く。
難しい文法ではないと思うし、他の国の中国語が話せる方もこの間違え方はしないのだが、
どうして韓国人の方ばかり…と思って調べたら韓国語の文法の語順と同じなようである。
母語である韓国語の文法が第2言語の中国に影響してしまっているのである。
「认识你,很高兴」と言ったら日本人
もちろん、日本語の表現が中国語に影響することがある。例えば「お会いできて、嬉しいです」という言葉だ。
中国語にすると、
お会いできて=认识你 嬉しいです=很高兴 |
なので、
日本人はよく「认识你,很高兴」と言いがちだが、
これはネイティヴには少し不自然を感じる語順だ。
「很高兴、认识你」が自然な中国語である。
「认识你,很高兴」と言っても通じるし、間違いではないと思うが、中国人はこの語順ではほとんど話さない。
日本語と中国語の文法は語順が違い、話す時に母語の語順が影響するのである。
「请多关照」と言ったら日本人
「请多关照」は「よろしくお願いします」という意味で、正しい中国語である。日本で手に入る中国語のテキストには、「你好」「我是日本人」というような超基本文と並んで学ぶ「请多关照」なのだが…
しかし!
自己紹介の時に日本人以外で使っていることを聞いたことがない。
正しい中国語なのだが、自己紹介の時に「请多关照」というのは何故か日本人だけである。
「よろしくお願いします」
というのが日本人としては当たり前なので、中国語でも言いたくなるのだが、
中国人はまず言わない。
じゃあ中国語が話せる日本人以外の外国人は?
と言う疑問が湧くが…
日本人以外で自己紹介の時「请多关照」を聞いたことがないのだ。
「よろしくお願いします」は日本の文化なのかなぁ?
日本のテキストにしか載っていないのかなぁ…?
いろんな疑問が湧くが、
とにかく、中国人も日本人以外の中国語を話せる外国人も滅多に使わない。
自己紹介の時、注意して聞いてみてほしい。
なぜか、「请多关照」と言うのは日本人だけなのである。
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この記事へのコメント
WL
容易に考えつくシーンとしては、若葉マーク・運転免許取り立て。
新手刚刚上路,请多关照.
あとは近いパターンで、人の道路に一時的に停めさせてもらっている
临时停靠,请多关照.
妊婦が運転しているので、気をつかって欲しい
孕妇驾车,请多关照.
むしろ、車絡み以外では中国人が使っているシーンが浮かばないw
ペッペケ
コメントありがとうございます。
確かに中国人の请多关照は滅多に聞かないですね。
こういう言葉の選択にも文化や考え方が現れていて面白いですね。