この記事は昨日の記事中国との国際貿易を成功させるためにはリスクを知った上で慎重にの続きです。 |
中国と日本の国際貿易をやっていた日本人のAさん
Aさんは日本を拠点として国際貿易の仕事をしていた。小さな会社だったが、責任ある立場で働き、中国にも仕入れによく来ていた、という。
でも、ある一件の取引を境にこの仕事をやめたと言う。
それは中国の防寒具を扱う問屋との取引だった。
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信頼していた問屋
ある時、数回取引していた中国の問屋で、品質の良い防寒具を見つけたという。実際に身につけてみて、肌触りは柔らかくとても良い感じで、彼の経験上これは売れると確信した。
で、コンテナ3つ分。値段にしてなんと500万円を発注したのだそうだ。
思い切った量だったが、確実に数倍の価値に化ける品質だったため、購入を決めたという。
日本の港で検品
それからしばらくして、船便のコンテナが日本の港に届く日が来た。港でコンテナを下ろし、それを開けて中を見た時…Aさんは気を失いそうになった。
なんと、入っていたのは最初に見たのとは似ても似つかないペラペラでカチカチの防寒具だったのだ。いや、防寒具の形はしていたが、売れる代物ではない。それはただの"布で出来たゴミ"だったのだ。
思考は停止し、港でしばらく呆然と立ち尽くしたと言う。
どうしたのか
で、その後、中国の問屋に連絡したのだが、「ちゃんと契約書通りのものを送った」の一点張りで、全く話にならなかったと言う。それから色々と問屋にアプローチをし、眠れない夜を何度も過ごし、ありとあらゆる可能性を考えて、最後に彼がとった行動は、なんと、…
…全て廃棄。
である。
国を超えているので、法律ではどうしようもない、契約書も役に立たない、相手は対応しない。道理はもはや通じない。
なんとかならないかと考えに考え、最後にどうしようもないと悟った時、彼は全てを諦めたのだ。
全て自分の責任だと、過去に何度も取引しているからと信頼した自分が100パーセント悪かったと会社に謝り、全ての損害を自分でかぶったという。
商品代500万円だけでなく、数十万円もかかったという廃棄費用も全て自分で払ったそうだ。
辛すぎる
その後、彼はその会社を退社した。つ…辛すぎる…
「もしそれがちゃんと届いていたら、絶対に大儲けできたので、…目が眩んじゃったんですよね。相手を信頼してしまい、ちゃんとリスク管理できなかった自分が悪かったんですよ。相当高い授業料になりましたが…」
とAさんは語った。
500万円…それが一瞬で飛んでしまうって…
どういう感じなんだろう。
「かなり前のことなので、今では話せますけど、しばらくは相当ダメージが大きかったですよ。」
と言っていた…。
国際貿易の怖さ
この例を通してわかるのは、国際貿易の怖さだ。日本国内であれば、同じことが生じても、契約書は効力を持ち、日本の法律が守ってくれるだろう。
しかし、国際貿易となると、100パーセント明らかに相手が悪くても、詐欺などの犯罪行為を行なっていたとしても、どうしようもないことが多いのだ。
国内の法律は海外でのトラブルに力を持たないからだ。
もちろん国際法などがあるが、相手の国によるし、手続きは相当煩雑になる。
事実上、騙されたら、それで終わりなのである。
国際貿易は大きく利益をあげられるチャンスがあると思うが、リスクを考えた時、相当怖いビジネスだと思った。
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