日本人が間違いやすい中国語の副詞「也」の使い方
日本人が間違いやすい中国語に"「也」の用法"があると思う。「也」は中国語の副詞で、日本語の「私"も"行きます」の「も」と同じように使えるのだが、日本語の文法と使い方が異なるので日本人の誤用率が非常に高い。
私も指摘されるまで知らなかった。
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「今日私は行きます」
わかりやすくするために「今日私は行きます」という簡単な例文を考えてみたいと思う。以下の質問を考えてほしい。
※参考単語
中国語 | 日本語 |
---|---|
今天 | 今日 |
我 | 私 |
去 | 行く |
也 | も(助詞) |
まずは、基本の文だが、
「今日、私は行きます」の中国語は「今天、我去」である。
「今日、私は行きます」 ↓ 「今天、我去」 |
それでは上の基本文を踏まえて、次の問題を考えてほしい。
問題1
問題1, 「今日、私は行きます」の中国語は「今天、我去」である。 では、 「今日、私も行きます」の中国語は? |
どうだろうか?
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
答え1, 「今日、私も行きます」の中国語は 「今天、我也去」 |
「今日、私は行きます」→「今天、我去」なので、
「今日、私も行きます」→「今天、我也去」である。
これは簡単だと思う。
では次。
この問題はどうだろうか?
問題2
問題2, 「今日、私も行きます」の中国語は「今天、我也去」である。 では、 「今日も、私は行きます」の中国語は? |
さぁ、どうだろうか?
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
「今日も」だから…
「今天也」だろう。
「今天也、我去」だ!
と答えた人が多いのではないだろうか?
だが、正解はこれだ。
答え2, 「今日も、私は行きます」の中国語は 「今天、我也去」 |
え?おかしくない?
「今日、私も行きます」の中国語は 「今天、我也去」 「今日も、私は行きます」の中国語も 「今天、我也去」である。 |
日本語の文法から考えるとそう思うかもしれない。でもこれが正しいのだ。
日本語の「も」は"とりたて助詞"と呼ばれ、文章のどの格(単語)にもつくことができるが、中国語の「也」は主語の後ろにしか入れられないのである。
だから、日本語でどこに「も」が入っていても、中国ではかならず主語の後ろに「也」をつけるのである。
以下の例を見てほしい。日本語と中国語の違いがわかるはずだ。
※参考単語
日本語 | 中国語 |
---|---|
私 | 我 |
彼 | 他 |
本 | 书 |
あげる | 给 |
例
日本語 | 正しい中国語 | 間違い中国語 |
---|---|---|
私は彼に本をあげる | 我给他书 | ー |
私も彼に本をあげる | 我也给他书 | ー |
私は彼にも本をあげる | 我也给他书 | ×我给他也书 |
私は彼に本もあげる | 我也给他书 | ×我给他书也 |
伝えたいことが伝えられないのでは?
ここまで読んでこう思うはずだ。中国語の「也」が主語の後ろにしか付けられないことはわかった。けど、伝えたいことが伝えられないのでは?
これは当然の質問である。
例えば日本語では、
「私も彼に本をあげる」 →他の人が彼に本をあげた。私もあげる。 |
「私は彼にも本をあげる」 →私はある人に本をあげた。彼にもあげる。 |
なのに中国語ではどちらの場合も、
「我也给他书」 |
これじゃ、伝えたいことが伝えられないじゃないか!?
そう思うだろう。
実際は文脈で理解できる
でも問題にならないのだ。なぜなら、上で挙げたのは文法として完全な文章だが、普段話すときは上のような形はとらず、一部を省略したり、別の言い方をするので、文脈で意味は理解できるのである。
え?省略するの?と思うかも知れないが、日本語で考えても、会話のときは普通は省略し、必要な事しか言わないのではないだろうか。
正式文 | 会話文 |
---|---|
私も彼に本をあげる | 私もあげる(よ) |
私は彼にも本をあげる | 彼にもあげる(よ) |
「え?この本…私にだけくれるんですか?彼にもあげてくださいよ。」と言われて、
「私は彼にも本をあげますよ」
などと長々とは答えず、無意識に必要な事以外は省略して、
「彼にもあげますよ」
と言うだろう。
同じように、中国語も会話でもわかるように話すので、誤解を生むことはないのだ。
例えば、
「今日、私も行きます」の中国語は
「今天、我也去」だが、
今日ということはわかっているので、「今天」を省略し、
「我也去」と言う。
「今日も、私は行きます」の中国語も
「今天、我也去」ではあるが、
自分が行くことはわかっているので「我」を省略し、
「今天,也去」と言う。
このように、実際は、会話の前後で何を話していたかによって相手の言いたい事が理解できるので、問題はないのだ。
よく聞く日本人の間違い中国語
では、「也」の位置が間違いやすいということがわかった上で、よく聞く日本人の誤用の例を見ていこう。そんな間違えるかなぁ?と思うかも知れないが、
日本人は日本語の「も」と同じ感覚で使ってしまいがちで、かなり間違いやすい。
「今日も、食べるの?」
昨日も食べたのに!今日も?という場面である。日本人のよくある誤用が
×「今天也你吃?」 |
である。主語である「你」の後ろにしか「也」は付けられないので、
正しくは
○「今天你也吃?」 |
会話では「你」を省略し、
「今天、也吃?」または「今天、也要吃?」というのが自然だ。
「彼にも、あげてよ」
この人だけにあげるの?かわいそうだよ。「彼にも、あげてよ」という場面。日本人のよくある誤用が
×「你给他也,可以吗?」 |
正しくは
○「你也给他,可以吗?」 |
会話では「你」を省略し、
「也给他,可以吗?」というのが自然だ。
まとめ
説明下手なため、長々と書いてしまった。ここまでつたない文章に付き合ってくださり、感謝したいと思う。まとめになるが、中国語で「也」を使う時は、日本語とは違い、主語の後ろ以外のところに入れると間違いだということに注意してほしい。
日本語の「も」は主語以外のどの格(単語)にもつくことが可能なので、頭の中で日本語を中国語に訳して話すと、上記のような間違いをしてしまうのである。
上記文章が中国語学習の助けなれば嬉しく思う。
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この記事へのコメント
PMZ
日常何気なく使っている中国語も、背景にある文法が理解できると応用範囲が広まりますね。これからも、楽しみにしています。
まさ
なじみの日本料理店はとても混むので毎日のように予約しています。
毎回のように 今天也我去 を使っていました。
とてもありがたいご指導でした。ありがとうございます
ペッペケ
コメントありがとうございます。
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ペッペケ
コメントありがとうございます。
記事を役立てていただけたとのことで嬉しく思っています!
今後とも当ブログをよろしくお願いします。
はむきん
管理人
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