※2017年4月27日更新
中国深センでの家探し
中国に引っ越し、または長期滞在するとなると、当然必要になってくるのが住む家である。勤務している会社がすべてやってくれるなら楽だが、留学や現地採用など、自分で家を探さなければならない人も多いと思う。
私は中国深センに来てから自分で家を探し、引っ越しも何回か経験した。
また、中国語の話せない同僚の家探し、契約交渉を何度も手伝ったこともある。
中国の不動産屋の対応は良いとは決して言えない。最初は勝手がわからず、かなり苦労させられた。
中国の家探しは日本と比べてかなり大変だと思う。何回も家探しをやってきてわかってきた、こちらでの家探しのコツ、役立つ情報を書きたいと思う。
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中国語が話せないと厳しい
まず、中国語は必須である。現地の不動産会社の担当者はほとんど中国語のみ対応だからである。英語も話せない人がほとんど。中国語が話せないなら家探しはかなり厳しいと思っておこう。
中国語を話せない、誰にも頼れないなら日系の不動産会社を
もし、中国語が話せず、家探しの経験がある人や現地の人など誰にも頼ることができないなら、日系の不動産会社に依頼しよう。もちろん手数料はかなり高くつくが、中国語が話せない状態で中国で一人で家を借りるのはかなり難しいからだ。
また、中国の家はトラブル発生率がかなり高い。(どこか壊れた、水漏れした、などなど)。そういう時でも、日系の不動産会社なら、日本語でサポートしてくれるし、トラブルがあった時の対応もしてくれる。
高いお金を払っただけ、安心を買うことができるのだ。契約時だけでなく、その後のトラブルを自分で対応する自信がないなら、日系の不動産会社に依頼しよう。
インターネットの不動産情報は嘘であると思ったほうがいい
中国でもインターネットで現地の不動産情報を調べることができる。場所、家賃、家具の有り無し、間取りや広さなどを入力して検索すると不動産情報が写真付きで出てくる。中国語で家探し、交渉は敷居が高いという人も、ネットでなら地元の不動産会社で借りれるかも、と思えるかもしれない。
だが、ネットで不動産を探すのは絶対やめたほうがいい。
なぜなら、ほとんどの不動産情報は嘘=釣り広告だからだ。つまり、客を集めるため、実際はない家をかなり格安&きれいな写真とともにネット上で公開しているのである。
問い合わせると、「ぜひ見に来てほしい」と言われ、実際に現地に行くと、その場で「ついさっき契約が決まってしまった。ほかの似たような家を紹介する」とか理由をつけて、彼らが本当に紹介したかった家を紹介されるのだ。
そして、その時紹介される家は往々にしてネットで見た不動産情報とは似ても似つかないほど条件が悪い家である。
私は中国に来たばかりの時、無知ゆえ、このインターネット情報でかなり翻弄された。「すごく安くていい家がいっぱいあるじゃん!これならすぐ見つかる!(^^♪」と・・・。すべて嘘情報だとも知らず・・・。
愚かだった・・。暑い中何度も現地に無駄足を運ばされ、本当に疲れたのを覚えている。
なので、中国ではインターネットで家探しは絶対にやめたほうがいい。(ハイクラスの不動産などは大丈夫かもしれないが、安くて綺麗な不動産情報はほぼ100パーセント釣り広告である。)
家探し方法1:現地に行って不動産屋に聞く
じゃあ、どうやって探すか?ということになるが、これはズバリ、現地に行って不動産屋に聞くことだ。これに尽きる。今まで、かなりの家探しを手伝ってきて言えることだが、はっきり言って、事前に電話で問い合わせても不動産屋のいうことは全くあてにならない。彼らは「客がいい家を探せるように」なんて全く考えてない。
もちろん、ゼロではないのかもしれないが、今まで出会った数十人の不動産屋の担当者はほぼそうだった。自分が何件契約をとるかどうかしか考えていない。だから、電話でいくら聞いても「大丈夫だ、写真の通りだ、きれいな家だ」としか言わない。
実際はこちらが求めている条件とは全く異なる家であってもお構いなしだ。彼らにとって、客の求めている家があるかどうかは関係ない、少しでも契約の可能性を上げるため、客を来させたいのだ。
だから、事前に電話で話を聞くだけ無駄である。
電話ではなく、直接引っ越したいマンションのそばにある不動産屋に行って、「今見ることができる家はあるか?」と聞くのがベストだ。(深センにはいたるところに不動産屋がある)
その場で見に行ける家なら少なくとも釣り広告ではない。自分の目で見て決めることができるのである。
家探し方法2:警備員に聞く
それ以外の方法だが、マンションの警備員(中国語:保安)に直接聞くというのがある。裏技?みたいに感じるかもしれないが、現地の人には結構普通の方法で、しかも、これが手数料もかなりやすいのでなかなかおすすめ。
中国のマンションの入り口には必ず警備員(中国語:保安)がいるので、このマンション良さげだな、と思ったら、「家を探している」と言ってみよう。彼らが結構な確率で不動産情報を持っていることがわかるはずだ。
しかも、不動産屋ではないので、釣りの部屋を見せることもない。なければないと言うし、条件に適う家あれば見せてくれる。決まれば警備員に紹介料をちょと払ってあげればそれでオーケーだ。
私自身、この方法で探したことも結構ある。
家探し方法3:貼り紙
不動産会社を通すと大家も手数料を払わなければならないため、自分でチラシを作製し、勝手に道端の壁に貼っていたりする大家もいる。家探しをするときに貼り紙に注意してみよう。電話番号が書いてあるので、大家に直電してみよう。もし、条件に適えば、不動産屋手数料がかからないので、かなりお得だといえる。交渉術が求められ、少しハードルが高いが・・。
家探し方法4:友人
中国人で友達がいるなら、知り合いや親戚で家を貸したい人がいないか聞いてみよう。もしいれば、安く借りられたりする。中国人は知り合いの繋がりが結構強く、お世話したがりなので、「私の友達だから安く貸してやって!」と言ってくれたりする。
家探しで伝えるべき条件
家を探すときに相手に自分の探している部屋がどんなものか簡単に伝える必要がある。家賃に加え、まず、部屋数を伝えよう。中国語では以下のように言う。中国語 | 日本語 |
---|---|
单房 | ワンルーム |
一房一厅 | 部屋1、居間1 |
两房一厅 | 部屋2、居間1 |
两房两厅 | 部屋2、居間2 |
三房两厅 | 部屋3、居間2 |
家を見るときはどこに注目する?
探している家の条件を伝え、良さそうだったら見に行くわけだが、どこに注意したらいいのだろうか。中国では引っ越しで家を出る時、きれいに掃除して出る習慣がなく、大家も不動産屋も掃除しないので、めちゃめちゃ汚い家もある。
が、これは仕方ない。どの家に引っ越しても、まず最初は大掃除が基本なので、汚れに惑わされず、掃除した後の様子を想像しながらチェックしよう。
まずは水回り。水漏れ等無いかを確認。また、家電、照明、エアコンなども通電してみて確認が必要だ。
あと、家の場所も重要。飲食店の上が住宅になっている場合もあるが、低層階だと臭いが立ちのぼってきたり、ゴキブリもかなりでるので気を付けよう。
また、日光がちゃんと入るか確認するため、できれば昼に見に行ったほうがいい。深センではかなり密接に高層マンションを建てているところもあり、内側の低層階は日光が届かず、昼でも電気をつけなければならないほど暗い。ここに住んでいたら心まで暗くなりそうだな・・と思うほどだ。
いよいよ契約
さて、家を見て、条件に適っていたらいよいよ契約だ。契約内容はしっかり書面で書かせることが重要である。「あーここ、壊れてるけど、すぐ直すから安心しろ」という口約束だけでは絶対済ませないようにしよう。小さいこともちゃんと書いておくことがトラブル防止の基本だ。
契約日、家賃、敷金はもちろん、家具家電の種類や数、壊れそうなものがあれば免責にしてもらうなど、書面でちゃんと残しておこう。
もう一度書くが、契約時に笑顔で「契約後、すぐに直すから、大丈夫大丈夫!」という口約束をしても、彼らは必ず(わざと)忘れる。
ちゃんと書面で残しておこう。(苦い経験あり)
最初に支払う必要経費
契約時は1か月分の家賃に加え、通常2か月分の敷金(出ていく時に返してくれる)を払わなければならない。また、不動産屋を利用したなら、1か月分の手数料がかかる。(通常は大家と契約者が半額ずつなので、0.5か月分)
ということで、トータルで3.5か月分を支払わなければならないので結構な出費になる。
深センの家賃の相場
深センと言ってもかなり広く、市内と郊外ではかなりの差がある。よくある两房一厅(部屋2、居間1)で言うと、日本人が住めるようなマンションだと、2017年現在、郊外だと3000元(5万円)/月前後、市内だと6000元(10万円)/月前後くらいだ。もちろんもっと高いところもある。
今のところ、毎年物価が上がっていて、5年前の倍近くになっているので、数年したらまた変わると思う。あくまで現在の相場として参考にしてほしい。それにしても物価が上がったなぁ・・。
なお、現地の独身者が住むトイレシャワー共同のようなところになんと、月600元で住んでいるツワモノの友人もいる…。
■深センの詳しい家賃、生活費についてはこちらを見てほしい
深センの日本人生活費まとめ
契約期間は?
通常は1年だが、交渉次第で短くすることも可能だ。もし、契約期間を満了せずに引っ越しをする場合は敷金は帰ってこないので、いつ引き払うか未定の場合は注意が必要だ。契約期間についてもきちんと明示してあるのを確認しよう。
中国語が堪能でも、経験がある人と一緒に
中国の家探しは本当に疲れる仕事だ。今まで同僚の家探しを何度も手伝ったが、なかなか大変だと思う。言葉が話せても、最初はなかなか条件に適う住める家が見つからなかったりするかもしれない。
可能であれば、中国での家探しをしたことがある知人友人同僚に一緒に来てもらうのがベストだ。
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