ジェスチャーの意味は世界共通ではない
「これ食べる?」と聞かれて、食べたい時は首を縦に振り、いらない時は首を横に振る。
これは日本では常識のジェスチャーであり、子供の頃から自然と身についたものである。
ただ、日本では当たり前のジェスチャーも、世界共通のものではなく、全く異なることがある。もし海外に行くなら知っておくべきである。
例えばある国では「はい」のときに首を横に振るらしい。そのことを知らなければ、大きな誤解を招くことになってしまうだろう。
日本と中国、香港は?
多くの人は、日本と中国の首を振るジェスチャーは同じだと思っている。中国も「はい」は縦に振り、「いいえ」は首を横に振るからである。
上のように、
「これ食べる?」
と聞かれて日本のように首を振って意思を表現しても、誤解を生むことはない。
しかし、日本と中国の首振りジェスチャーが逆になるケースがあることをご存知だろうか?
これを知らないと、意味が逆に伝わってしまい、誤解を生むことになる。
事実、私がまだ中国語をほとんど話せない頃、首を振ってジェスチャーしたら全く逆の意味に取られてしまったことがある。
では、そのケースについてご説明しよう。
否定疑問文の時に誤解が生じる
日本と中国、香港のジェスチャーが異なり、誤解を生みかねないのは否定疑問文の時である。具体的な例を考えてみよう。
食べないの?
次の場面を想像してほしい。あなたはお腹がいっぱいで何も食べたくない状態である。テーブルに幾つかパンが残っているが、もう残すつもりである。
そこで、「このパン食べないの?」と尋ねられたら、首を縦に振るだろうか、それとも横に振るだろうか?
日本人は首を縦に振る
どうだろう。あなたが日本人なら間違いなく首を縦にふるだろう。「このパン食べないの?」→「うん、食べない」
だからだ。
(やっぱり無理して食べるとかいうひねくれた回答は無しσ(^_^;))
これに対しては
「え?普通でしょ?」と思うが、
中国人、香港人は異なるのだ。
中国、香港人は首を横に振る
で、中国人、香港人だが、これが逆になるのだ。「このパン食べないの?(你不吃这个面包吗?)」
と聞かれて、食べたくない時は、
首を横に振るのである。
え?おかしいでしょ?と思うが、日本語と中国語の答え方の違いを比べると、どうしてそうなるのかうなずける。
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違いの理由を考えてみる
日本語と中国語で答え方が違うため、首の振り方が異なるのだ。「このパン食べないの?(你不吃这个面包吗?)」
と聞かれた時、日本語では「うん、食べない」となり、首を振るまでの流れは以下のようになる。
「うん、食べない」
↓
「肯定」
↓
肯定なので、首を縦に振る。
一方中国語で答えるとしたら、「不吃(食べない)」となるのである。
「不吃(食べない)」
↓
「否定」
↓
否定なので、首を横に振る。
こう考えると納得できるのではないだろうか。
日本語では質問に肯定しているので首を縦に振り、中国語では質問に否定で答えるので、首を横に振るのである。
食べないの?と聞かれて首を縦に振ったら
食べないの?と聞かれて首を縦に振ったら、中国では、まだ食べられると理解されてしまうので、気をつけよう。σ(^_^;)
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