鹰嘴桃(インズイタオ)という桃をもらった
中国人の友達から鹰嘴桃(インズイタオ)という珍しい品種の桃をもらった。「実家の農園で採れた桃が送られてきたからおすそ分け。無農薬で親が作ったやつだから安心だし、美味しいよ。段ボールで何箱も送られてきて食べられないから遠慮しないで」
という。
「えぇーそんなぁ・・」
いつもありがとう。^ - ^悪いねぇ...今度お返ししなきゃ。
で、この鹰嘴桃(インズイタオ)について調べてみたらかなりレアな品種であることがわかった。
なぜ鹰嘴桃(インズイタオ)というのか?
この名前は桃の形から来ている。鹰(イン)=タカ
嘴(ズイ)=クチバシ
桃(タオ)=桃
という漢字の意味からわかるように、このクチバシのように尖った形状から名付けられた。
広東省河原市の特産
この桃は広東省の北部にある河原市の特産で、この一帯でしか作られていない。加えて、旬は7月〜8月と短いため、なかなか食べられないレアな品種らしい。現在、深センのスーパーや果物屋には売っている。通販でも、桃農家から直送の鹰嘴桃(インズイタオ)を扱っている。
通販の値段を調べてビックリ。なんと小さめの箱、10個入りとかで200元とかするではないか。中国の普通の桃の相場と比べると5〜10倍の値段だ。
※後日、スーパーで安いのを見つけた。詳しくはこちら
「鹰嘴桃」がスーパーで売っていた
こ・・こんな高いものをくれたのか・・。なんか申し訳ない。
味はどうなのだろうか。おのずと期待が膨らんでいく。
実食!
普通の桃と同じく皮をむいて食べる。皮にはよく見ると薄いうぶ毛がある。皮はむきにくい。水蜜のようにするっと向けたらいいのだが、身と皮が完全に一体化している。果物ナイフで剥いたが、皮むき器を使えばもっと早くむけたと思う。
1個はそれほど大きくないため、そのまま丸かじりでいただくことにした。
「えっ?」
一口かじって少し戸惑った。想像していた、汁が滴る水蜜桃のような柔らかさが無いのである。少し硬い。どう言ったらいいだろうか、硬めの柿くらいの固さだ。「熟れてないのか?」と思ったほどだ。
だが、口に入った果肉を噛み砕き呑み込むとそれはすぐに間違いだということに気づく。
熟れてないなんてとんでもない。たった今口の中で感じたそれは間違いなく完熟の桃、それも極上の桃の味わいだ。
未完熟かと思われるような硬い食感から口の中に広がる完熟桃の味わい。
経験したことのない"矛盾"に戸惑っているうちに、いつの間にか手の上には桃の種しか残っていなかった。
夢でも見ているのか?
今までの経験では、この固さの桃は間違いなく熟れていなかった。そう、甘くないはずなのだ。だがなんだこれは…。硬さとは裏腹の極上の甘み…。
そこで、はっと気づいた。
そうか、水分だ!水分が少ないのだ。水分が少ないゆえ、普通に桃と比べて硬めだが、その分味がぎゅっと詰まっている。だからこれほどうまいのだ。
食べれば食べるほど、鹰嘴桃(インズイタオ)の味わいに魅力されていく。
噛みしめると濃縮された桃の甘い果汁が染み出す。香りが強く、爽やかさが口を包み込んでいく。
美味しい!これは美味しい!
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「脆(cui)」食感
中国語ではこの食感を「脆(cui)」と表現する。これは「心地よい歯ごたえがある」という意味で、ダイコン、ビスケットなどの、サクサク、シャクシャクするような歯ごたえがするものもすべて「脆(cui)」と表現する。
鹰嘴桃(インズイタオ)の硬さはまさに「脆(cui)」だ。
一口目は「え?硬い?」と思ったが、それは水蜜桃柔らかさを想像していたからだ。「こういう食感」とわかって口にすれば、それは心地よい噛み応えでしかない。
それは、サクサク、シャクシャク、カリカリ…いや、どれも違う。
日本語の擬音語の中にはない食感だ。表現できない。とにかく噛み心地が良い。これは実際に食べて経験してほしい。
この「脆(cui)」食感も鹰嘴桃(インズイタオ)の特徴で人気の理由である。
この食感ゆえ、「脆桃」という名称で呼ばれることもあるようだ。
うまかった
うまかった!本当にうまかった!味、食感ともに最高においしい桃だった!さすが広大な面積を持つ中国。いろんな果物がある。
鹰嘴桃(インズイタオ)…
これは、機会があれば、是非食べてみてほしいと言えるおすすめの果物だ!
【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます
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この記事へのコメント
bigpaddy
ペッペケ
>
そんなに安く売っていますか!私は産地直送のサイトを見たので高かったのかも知れません。