あらゆる病気の元「上火」って何?通訳が難しい言葉

上火・・・?
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「上火」するから!

中国人、香港人が多用する「上火(shàng huǒ)」という言葉があります。カタカナ読みすると「シャンホー」です。

どういう場面で使われるかというと、

「これを食べたら、上火(シャンホー)するから、たくさん食べないほうがいい」

「上火(シャンホー)したからニキビができちゃった」

「歯が痛い…上火(シャンホー)したかなぁ」

などです。

”シャンホー”って一体何?と思いますよね。

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上火”シャンホー”って?

辞書で「上火(シャンホー)」を調べると「のぼせる。」と出ていますが、これは通常使われる”シャンホー”の意味とは全く異なります。

上火(シャンホー)は中国医学の概念に基づくものです。

中国医学では、体の中に熱が溜まると体調を崩したり、喉が痛くなったり、歯が痛くなったり、ニキビができたりするという考え方があります。

熱といっても、風邪を引いて出る熱とは違うもので体温が上がるわけではないのですが、体の中で悪さをする”熱気”が存在するという概念です。

逆に、身体の熱気を下げることを「下火(xià huǒ)」、カタカナ読みでは”シャーホー”と言います。

”シャンホー”はあらゆる病気の原因となるという考えもあり、健康に気を使う人は、びっくりするくらい”シャンホー”させるものに敏感です。

中国人、香港人は身体に何か不調があるとすぐに「上火した!下火しなきゃ!!!」と言います。



どうしたら”シャンホー”するのか

どうしたら身体の中に熱気が溜まる=”シャンホー”するのでしょうか?

基本的には食べ物です。上火 (シャンホー)させる食べ物を食べれば上火(シャンホー)します。逆に、下火(シャーホー)させるものを食べれば、身体の熱気を下げ、下火(シャーホー)できます。

上火に敏感な中国人、香港人は上火の食べ物はたくさん食べません。全く食べないという人もいます。

上火 (シャンホー)させる食べ物
鶏肉、ソーセージ、揚げ物、唐辛子、酒、胡椒、みかん、ライチ、パイナップル、ドリアン、グワバなど。

ドリアンは上火の食べ物
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下火(シャーホー)させる食べ物
緑茶、ビール、コーヒー、菊茶、はちみつ、ゴーヤ、セロリ、きゅうり、なす、キノコ、コンブ、スイカ、マンゴー、梨、マンゴスチン、バナナなどなど。

マンゴスチンは下火の食べ物
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日本人には難しい概念

上火、下火の食品一覧を見ても日本人には難しいですよね。肉、揚げ物、唐辛子とかは、「身体に悪さをする”熱気”がある」と言われたら、まぁ、そんな感じはしますが、

みかん、ライチ、パイナップルなどのみずみずしい果物のどこに熱気があるのか、私も未だによくわかりません。

中国4000年の歴史の中で、経験的に見つけ出されたものなのでしょうねぇ。



上火を恐れる中国人

何はともあれ、中国人は上火に敏感です。

「ライチ食べすぎちゃったから、下火させるものを食べなきゃ!」

というようなことをよく聞きますし、

「これを飲むだけで下火!上火は怖くない!あなたも今すぐ〇〇を飲もう!」

というような飲料の商品広告も見ます。

「下火王」という商品名のお茶は飛ぶように売れています。

上火を恐れる人たちの中では、下火はビジネスになるのです!



困るのが通訳

難しいのが通訳です。

例えば、

中国人:「ライチを食べ過ぎると上火するから、食べ過ぎないほうがいいですよ」

と中国語で言われた場合。

これが「ライチ」ではなく「唐揚げ」だったら、

「唐揚げをたくさん食べると体に悪いですから、食べ過ぎないほうがいいですよ」とわかりやすいように意訳できるのですが、

ライチの場合だとうまく伝わりません。「なんで体にわるいの?」ってなっちゃいます。

その場合、意味を説明しなければなりません。

「ライチを食べ過ぎると、「シャンホー」するので、食べ過ぎないほうがいいと言っています。この「シャンホー」って言うのは、日本にない概念なんですけど、身体に悪い熱が溜まるという意味で、「シャンホー」する物をたくさん食べて体に熱が溜まると、病気になったり、ニキビができたり、喉や歯が痛くなったりすると言われているんですよね。それで、あまり食べないほうがいい、と言ってくれています。」

のように長々と説明する必要があります。

言葉がないだけでなく、概念すらないので、なかなか難しいのです。



上火の食べ物を食べ過ぎると…

日本には上火の概念がないので、あまり気をしないと思いますが、

食べていると中国人から

「上火するよー!」と言われます。

「上火」の概念は中国の長い歴史の中で生み出されてきたもので、信頼性はあります。

香港、中国に旅行の際は「上火」にちょっと気を使ってみてもいいかもしれませんね。


【参考記事】
「ドリアン」は果物の王様と言われていますが、女王は「マンゴスチン」です。なぜかというと、それぞれが“上火”“下火”の果物で、ぴったりの組み合わせだからです。
詳しくは以下のページに書きました。
果物の女王「マンゴスチン」ってどんな果物か知ってる?女王の理由は?選び方のコツは?



【この記事はここまで】お読みくださりありがとうございます

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